厚生労働省は27日、自営業や無職の人が加入する市町村の国民健康保険(国保)について、宮城、青森など30道府県が都道府県単位での運営に向けた「広域化支援方針」を年内に策定する予定だとの調査結果を明らかにした。同日開いた「高齢者医療制度改革会議」に示した。
後期高齢者医療制度に代わる新制度については、2013年4月から第1段階として、国保に移る75歳以上の加入者の部分を都道府県単位の運営とし、第2段階で全年齢を対象として全国一律に都道府県単位化する方針を正式に提示。新制度の対象を65歳以上に広げる案は見送ることにした。第2段階の時期は18年度をめどにしたい考えで、広域化支援方針はその地ならしといえる。
今年6月時点では、年内策定の予定は19府県にとどまっていたが、今回の7月末時点の調査では全都道府県の6割を超えた形。残りの岩手、秋田、山形、福島など17都県は検討中としている。
厚労省が国保の広域化を進めるのは、少子高齢化や過疎化に伴い、市町村単位では制度を持続させることが難しいため。広域化支援方針では、財政安定化や保険料の標準化など、まず12年度までの取り組みを中心に定めるよう求めている。