日本国内で確認された新型コロナウイルス感染者のうち、複数の人が重症になっていることが11日、関係者への取材で分かった。
呼吸困難となるなど容体が非常に深刻な患者もいるといい、感染者の拡大が続く中、各地の医療機関で懸命の治療が続いている。
関係者によると、重症者は複数おり、高齢で深刻な基礎疾患を持つ人が含まれている。そのうちの1人は2月上旬、発熱の症状があり、インフルエンザの検査をしたが陰性だった。その後、新型ウイルスの検査で陽性と確認された。
受け入れ先の感染症指定医療機関で、抗エイズウイルス(HIV)薬の投与などが検討され、家族が同意したケースもある。患者は家族を含め、病院関係者以外との接触を認められていない。
新型ウイルスに感染した場合、軽い風邪のような症状で終わるケースが多いとされる一方、高齢者などは重症化する可能性が指摘される。流行の発生源とされる中国・武漢市で死亡した日本人は、60代男性だった。
厚生労働省によると、国内で確認された感染者は11日までに160人を超え、検査結果待ちの検体も残っている。感染者はさらに増える恐れがあり、ワクチンの開発や治療法の確立が急務となっている。