地球温暖化の原因となる温室効果ガスの一つ、二酸化炭素の平均濃度は、去年、国内3か所にある気象庁のすべての観測点でこれまでで最も高い値になりました。
気候変動の監視のため、気象庁は、岩手県大船渡市三陸町綾里と沖縄県の与那国島、小笠原諸島の南鳥島の3か所で二酸化炭素濃度の観測を続けています。
3か所の去年1年間の二酸化炭素の平均濃度は、大船渡市で412ppm、与那国島で411.7ppm、南鳥島で409.4ppmとなり、いずれもおととしを上回り、観測史上最高となりました。
また、日本の南東の上空で航空機を使って行った観測や、船を使った海洋上の観測でも、観測値は最も高くなったということです。
国連のIPCC=「気候変動に関する政府間パネル」は、今世紀末の気温上昇を2度未満に抑えるための目安として、二酸化炭素の濃度を世界の平均で420ppm程度にすべきとしています。
しかし、国内の観測点では上昇が続いていて、あと5年ほどで目安を超える可能性があります。
気象庁は「国内の二酸化炭素の平均濃度は、観測開始以来一度も下がることなく増え続けていて、人間活動による化石燃料の消費が原因と考えられる。二酸化炭素削減の取り組みをより一層進めていく必要がある」と話しています。