国内の新型コロナウイルスの感染が急拡大し、47都道府県すべてで前週比で増加に転じた。7日の全国の新規感染者は、1週間前の2倍の4万7977人に達した。各地の知事から「第7波に入った」などの発言が相次ぎ、政府は自治体に対し、病床の確保を急ぐよう要請している。
7日の東京都の感染者は8529人で1週間前の2・4倍、大阪府は4615人で同2・1倍。鳥取、佐賀の2県で過去最多を更新し、この1週間では島根、愛媛、熊本も含む5県で過去最多となった。内閣官房によると、6日時点の1週間平均の新規感染者数は全都道府県で前週を上回った。
東京都の小池百合子知事は7日、「第7波に入ったとも考えられる」と発言。千葉や群馬の知事らも第7波に言及した。
増加の要因は、ワクチン接種などで得た免疫の働きの低下と、オミクロン株の新系統「BA・5」の拡大とされる。
ワクチンの2回目接種は全世代で8割を超えるが、3回目は62%にとどまり、年代別では12〜19歳が31%、20歳代46%、30歳代50%、40歳代59%で平均を下回る。こうした若い世代で感染が目立っている。重症化予防が目的で60歳以上の人などが対象の4回目接種は23%となっている。
BA・5は、島根県では6月下旬の感染者の8割に達し、東京都も3割に拡大。国立感染症研究所は、7月後半に全国で半数以上が置き換わると推計する。
都の小池知事は、確保病床を現在の約5000床から最大約7000床に増やすための準備を進めるよう医療機関に要請した。
7日の全国の重症者数は67人で、第6波ピークの4%にとどまるが、今後、感染が高齢者に拡大すれば増加することも懸念される。
一方、世界保健機関(WHO)によると、世界のコロナ感染者数は3日までの1週間で約460万人に上り、4週連続で増加した。特にここ2週間で30%近く増加した。
背景として、BA・4とBA・5への置き換わりを指摘している。なかでもBA・5の割合はここ数週間で急速に増えており、新規感染者数全体の52%を占めている。