国内家電大手「白物」に注力 テレビ頼みの収益構造転換へ

家電大手各社が、高機能の白物家電を相次いで発売する。薄型テレビに頼ってきた収益構造の転換に向け、各社はスマートフォンと連動した「スマート家電」や、節電効果を高めた白物家電を投入し、新たな収益の柱として育てたい考えだ。
 パナソニックは21日、スマート家電の商品ラインアップに、エアコン「Xシリーズ」(想定価格約21万~34万円)や冷蔵庫「NR-F557XV」(同約30万円)など6製品を加え、計8製品に拡充すると発表した。9月25日から随時発売する。2014年度にスマート家電全体で年260万台、売上高2000億円を目指す。
 スマートフォンに専用ソフトをダウンロードすると、外出先からエアコンを操作したり、冷蔵庫の省エネ運転を確認できる仕組み。同社は12年度の白物家電の売上高が、テレビなどのAV(音響・映像)を逆転する見通し。「(白物家電は)新たな可能性を秘めたステージに切り替わる」。
 同社アプライアンスマーケティング本部の中島幸男本部長も期待感を示す。同社に続き、東芝も13年度に、スマート家電市場に参入する計画。15年度に売上高2500億円を目指す。
 一方、節電効果を全面的にアピールするのは、三菱電機だ。同社はこの日、家電事業部門の新コンセプト「SMART QUALITY(スマートクオリティ)」を立ち上げたと発表。
 大容量と省エネを両立させた冷蔵庫「JXシリーズ」(同約28万~34万円)と、短時間の不在時にも自動で運転停止するエアコン「ハイブリッド霧ヶ峰」(同約20万8000~35万8000円)を9月末から順次発売する。
 調理家電では、タイガー魔法瓶も同日、本土鍋と天然土かまどを組み込んだ炊飯器「THE 炊きたて」(希望小売価格14万7000円)を発売。炊飯器では最上位の機種で、月産4000台を目指す。

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