国内3例目、天ぷら廃油で発電 沖縄で5月供給開始

天ぷら油などの廃食油のリサイクルを手掛ける大幸産業(沖縄市、大城實代表)は、5月から廃食油を使った発電事業を始める。リサイクル業で培った独自技術 を生かして、廃食油から効率的な発電ができる燃料を精製。同社敷地内で発電した電気を沖縄電力に販売する。廃棄処分されている一般家庭の食用油を活用する 計画で、大城代表は「地域に眠る資源を活用して、電気の地産地消を広げたい」と意気込む。(政経部・照屋剛志)
今月18日には、経済産業省から固定価格買取制度の認定を取得した。廃食油を使った発電は国内3例目で、県内では初めて。
同社は飲食店などから廃食油を集め、バイオディーゼルにして販売している。ただ、近年は石油価格の変動が激しく、安定した収益源を確保するため、2014年に廃食油を使った発電の研究を始めた。
昨年5月に発電の技術を確立し、1億3千万円を投じて、発電施設と発電用燃料を精製するプラントなどを整備。沖縄バイオマス発電所(大城章実所長)を立ち上げ、経産省に発電の認定を申請していた。
発電出力は1日で最大7680キロワット。一般家庭800世帯の消費量を賄えるという。24時間稼働させ、安定した電力供給を目指す。
1カ月間で60トンの廃食油から、23万キロワットを発電する計画。5年以内に施設を拡大して、発電量を5倍に増やす目標を掲げる。
廃棄処分されることが多い一般家庭の食用油を使用することで、県内でのリサイクル率を高めたい考え。今後は、市町村と連携して、家庭から廃食油を集める仕組み作りに取り組む。
大城所長は「家庭から廃食油を集める仕組み作りが課題だが、沖縄市から始めてみたい。電気の地産地消で県経済の発展に貢献していきたい」と話した。

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