国分町の「味よし」閉店 濃い味ブームで人気に陰り コロナも影響

仙台市青葉区国分町の老舗ラーメン店「味よし国分町本店」が18日で営業を終えた。国分町に店を構えて40年以上。深夜まで営業し「締めの一杯」の店としてもおなじみだったが、新型コロナウイルスの感染拡大が閉店の引き金となった。
 氏家孝夫社長(84)が30歳のとき、市内の別の場所で創業。約10年後に国分町に移り、豚や煮干しなどでだしを取ったラーメンで人気を集めた。バブル期には昼前から翌日未明までひっきりなしに客が入った。芸能人や野球選手らも多く訪れたという。
 氏家社長は「景気悪化に加え、濃い味を好む最近の若い人に受けなくなり、コロナでどうしようもなくなった。皆さんに『寂しい』と言われたが、思い切ってやめることにした」と話す。
 感染拡大による外出や外食の自粛で、売り上げは普段の5分の1以下に低迷。長男で店を切り盛りしていた剛さん(55)は「終息がいつになるか分からず借金しても返せる保証がない。残念だ」と言う。
 近くの老舗ハンバーガー店「ほそやのサンド」の細谷正弘社長(67)は「ショックだ。近隣ではテークアウトを始めた店も多いが苦労している。国分町の行く末が心配だ」と案じた。
 市内の同名のラーメン店は、国分町本店と無関係。

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