国分町の客引き変わらず 「客は来る」要請応じず深夜営業

新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」が仙台市に適用されてから19日で2週間たった。営業時間の短縮を求められた飲食店が集まる歓楽街・国分町(青葉区)の客足は減ったが、妖しい光は夜遅くまで輝いている。措置期間の折り返しを前に街を歩いた。
(報道部・大橋大介、岩田裕貴)

 「キャバクラ? それとも落ち着いた女性がそろう店にしますか?」
 16日午後8時半すぎ、国分町通で客引きの男性(21)が通行人に威勢よく声を掛けていた。大半の店が営業を終えた直後の午後8時台は飲み足りない客を誘いやすく、同業者が立ち並ぶ。「人通りの多い金曜は気合が入る」と目を光らせる。
 措置適用を受け、宮城県は市内約1万の飲食店に営業時間を午後8時までにするよう要請。見回り調査もしており、17日時点で国分町を中心に200店以上が要請に応じていない可能性があるという。
 時短要請に応じた店には、過去の売上高などに応じて協力金が支払われる。飲食店などの中小事業者は1店舗当たり1日4万~10万円。キャバクラの男性店長(50)は「売り上げが50万円超の日もある。客は来るし、営業した方がいい」と説明する。
 時短営業を装うケースもあった。午後8時閉店を告げる張り紙のある飲食店に午後9時すぎ、酔客が入っていった。「家賃が高い。協力金だけではしのげない」。店の男性スタッフが理解を求めた。

 時短対象外の店も経営は苦しい。午後9時半ごろ、生花店が店じまいの準備をしていた。閉店は通常午前0時だが、売り上げが見込めず切り上げたという。
 男性経営者(54)は「どの飲食店も従業員の女の子の誕生祝いや、店の開店記念日などのイベントを自粛している。イベントに付き物の花は今、なかなか売れない」と苦笑いした。
 午後11時を過ぎても客引きは粘る。店の無料案内所を訪れる人の姿もある。「(重点措置が適用されても)あまり関係ない。この時間帯でもにぎわっている店はある」。客引きの男性(27)が明かした。
 時短要請に応じない店に対し、県は強制力を伴う命令や店名公表に踏み切る方針。20万円以下の過料を科すことも視野に入れる。

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