2006年11月、中国人ハッカーが海軍大学のネットワークを通信不能に陥れたことで米国内でサイバーセキュリティー対策の強化が叫ばれている。
海軍サイバー防御作戦司令部のダグ・ギャボス広報担当少佐は「犯罪科学による分析でハッカーが海軍大学で研究している机上作戦情報を狙っていたことは間違いない。同大学は最新の安全保護策を取り入れていなかったので攻撃を受けやすかったのだ」という。
グローバル・サイバー・リスク社のジョディ・ウェストビー最高経営責任者(CEO)は「あの侵入は米国のサイバーセキュリティーの弱点を明らかにした。政府はハッカーとテロリストから官民両方を守るための方策を至急構築する必要性がある」という。
中国人ハッカーは米国では悪名が高い。03年に米航空宇宙局(NASA)とサンディア国立研究所のコンピューターに侵入したハッカーの所在が広東省周辺であったことが突き止められている。
06年12月に明らかにされた中国防衛白書で中国が情報戦争の能力を高めようとしていることが明確になった。サイバーセキュリティーの専門家たちは「中国人ハッカーは著作権から科学技術、将来の防衛構想まですべての情報を盗もうとしている」と警告している。
ロナルド・キーズ司令官は2月に行われた空軍情報戦シンポジウムで「ハッカーはインターネット上で同時多発テロと同様の事件を引き起こす可能性がある。国家にとって深刻な問題であり、サイバー戦争についての考えを改めて研究し直す必要がある」と述べている。(サンフランシスコ ジョン・スワルツ)
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