【AFP=時事】国連(UN)は25日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は全人類を脅かしていると警告し、パンデミックの影響を最も受ける、世界で最も貧しい人々の支援に向け、総額20億ドル(約2200億円)の資金拠出を加盟各国に求める人道的対応計画を発表した。
国連のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は計画発表に際し、「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)は全人類を脅かしている。全人類は反撃しなければならない」と述べた。
国連の求めた額は、米国の救済策の2兆ドル(約222兆円)と比べると少ない。世界最大の経済国である米国は新型ウイルスの拡大で経済が急停止を強いられ、米議会はウイルスの打撃を受けている消費者や企業、病院に対する同策を承認するとみられている。
国連の支援計画は4~12月まで継続する見通しで、衛生上のこの危機が直ちに終息しないとの国連の見方を浮き彫りにしている。
約80ページからなる国連計画書によると、同計画を実行するのは非政府組織(NGO)と直接連携する国連諸機関。拠出された資金は、難民キャンプへの手洗い設備の設置や啓発運動の立ち上げ、アフリカ、アジア、中南米地域での航空シャトル便の開設など、さまざまな目的に使われるという。