東日本大震災後、仙台市出身の男性が短文投稿サイト「ツイッター」で呼び掛けて始まった被災地支援プロジェクトが、オーストリアの文化機関「アルス・エレクトロニカ」の国際コンペティションコミュニティー部門で、最優秀のゴールデン・ニカ賞に選ばれた。同部門のニカ賞に国内の団体が輝いたのは初めて。
同賞はメディア活用に革新をもたらした取り組みに贈られる。
受賞した被災地支援「ふんばろう東日本支援プロジェクト」(東京)は、震災発生から間もない2011年4月に、早稲田大大学院の西條剛央客員准教授(39)=仙台市青葉区出身、人間科学=がツイッターで始め現在も西條さんが代表を務める。
支援行動の輪に加わった人々が被災地で被災者の声に触れ、これを基に必要な支援について交流サイト「フェイスブック」で情報発信し、ニーズに合った多様な支援につなげている。
岩手、宮城、福島などで、被災者の生きがいづくりや被災地の学習支援、動物保護活動など30以上の具体的なプロジェクトを展開。各プロジェクトやウェブ管理など本部の各チームに、4000人以上が参加する。
フェイスブックの発信を見て「いいね!」を押す人を含め、ウェブと現場の実践を柔軟に組み合わせた支援が評価され、受賞につながった。
西條さんは「受賞は参加してくれたみんなの力のおかげだ。感謝している」と話す。