園庭皆さまに開放 仙台・卸町会館の隣接地

 仙台市若林区卸町2丁目の卸町会館に隣接する園庭について、所有者の仙台卸商センターと市は、市民に広く利用してもらうことで合意し、都市緑地法に基づく「市民緑地」とする契約を結んだ。市が市民緑地契約を交わしたのは初めて。
 市民緑地となるのは、卸町会館南側にある約1200平方メートルの園庭。センターが1970年に整備し、ヤマモミジやソメイヨシノなど90本の樹木が植えられている。
 センター側から昨年、「園庭を市民に開放したい」との申し出があり、市とセンターとで対応を協議。昨年末、市が市民緑地として無償で借り受けることで合意した。借受期間は2020年までの10年間とした。
 市民緑地制度は、都市内で減り続ける樹木の保存を図るため、所有者の申し出によって自治体や財団法人などが契約を交わし、所有者に代わって管理する制度。所有者は無償で提供する代わりに固定資産税や都市計画税が免除される。
 国土交通省によると、08年度末までに東京都世田谷区や名古屋市など35市区が市民緑地を設置している。管理するのは大半が自治体で、身近な自然の保存に取り組むボランティア団体が管理を担う例もある。
 市は、イベントの開催を希望する市民に緑地を貸し出す予定。市百年の杜推進課は「緑あふれる一帯を確保することで、市民に自然と触れ合う場を提供することができる。市内の緑地の保全にもつながればいい」と話している。

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