園舎のない「幼稚園」 仙台・泉ヶ岳に来春開園

園舎がなく、野外で子どもを預かる「森のようちえん」が来春、仙台市泉区の泉ケ岳山麓に開園する。子どもが山林の中で毎日過ごすことで、自分で考え判断する力を養うのが狙い。「森のようちえん」活動は全国で広がりつつあり、親からも好評という。
 来年4月に開園するのは「森のようちえん 虹の森」。野外活動団体「くりこま高原自然学校」(栗原市栗駒)を運営している民間会社「銀河自然学舎」(仙台市泉区)が設置する。
 4、5歳児を預かり、定員は各10人。泉ケ岳山麓の森で活動する。雨や雪の日もよほどの荒天でない限り、雨具や防寒具を身に着け屋外で過ごす。
 「大人が決めたルールの範囲でしか遊べない子どもが多い」と指摘するくりこま高原自然学校の佐々木豊志代表は「森は無限大に遊べるおもちゃ箱。森での体験を通じ自発的で危険な事も自分で判断できる自発的な子になり、生きる力が付く。万が一に備えスタッフのリスク対応も整えている」と説明する。
 10月末の入園体験会には7家族、子ども9人が参加。子どもたちは枯れ木を集めたり、キノコを探したりし自由に駆け回った。スタッフは遊び方を指示せず、見守りに徹した。
 長女(3)と参加した仙台市青葉区の主婦吉田まい子さん(41)は「普通の幼稚園のように机に座らせるのではなく、思いっきり遊ばせたい」と話した。
 森のようちえんはデンマークが発祥とされ、北欧で盛んとされる。「森のようちえん全国ネットワーク」(事務局・東京)には163団体・個人が加入、関東甲信越や中部地方で活発だという。
 佐々木代表は「指導者の養成やリスク管理の研修が進めば、さらに広まるだろう」と話す。連絡先は銀河自然学舎022(343)6442。

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