地デジの準備OK? 延期の3県、31日アナログ放送終了

東日本大震災で延期されていた岩手、宮城、福島3県の地上デジタル放送への完全移行を31日正午に控え、家電量販店などで地デジ対応のテレビやチューナーを買い求める客が移行直前の今も相次いでいる。国は移行について「難視対策などは対応済みで、大きな混乱はないだろう」とみながらも、電話相談を4月上旬まで24時間受け付ける態勢を敷いている。
 地デジ対応テレビは価格が大幅に下がっていることもあり、売り上げが好調。「今月10日ごろから駆け込み需要が目立って増えた」と、東北でケーズデンキを展開するデンコードー(名取市)。JR仙台駅東口のヨドバシカメラマルチメディア仙台も「3月の売り上げは前月までの3倍。1台目の購入者と2台目以降が半々」と言う。
 自動車用品販売店でもカーナビ対応商品の売上高が急増。オートバックスセブン(東京)は「従来のカーナビでも受信できるチューナーが特に好調で、東北3県の2月以降の販売数は前年同期の10倍近い」と驚く。
 3県の地デジ完全移行について東北通信局は「問題はない」とみている。被災者が暮らす仮設住宅には当初から対応テレビが設置済み。「電波を受信しにくい地域も共同アンテナなどの整備が完了した」と強調する。
 ホテルや病院なども対応が必要だが、福島県旅館ホテル生活衛生同業組合は「2、3年前から準備してきた」。病棟向けにテレビをレンタルする柏木実業(仙台市)も「既に準備は終え、混乱はないはず」と話す。
 ただ目の不自由な人の中にはFMラジオでテレビのアナログ放送を聞くケースも多く、岩手県視覚障害者福祉協会は「(地デジ対応ラジオを開発するなど)引き続き音声を受信できるようにしてほしい」と要望している。
 総務省は4月8日まで電話での相談業務を24時間対応で続ける。連絡先は地デジコールセンターのナビダイヤル(0570)070101。

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