総務省は24日、地上デジタル放送対応のテレビや受信機の世帯普及率が9月末の調査で90・3%と、前回の3月調査から6・5ポイント上昇し、初めて9割を超えたと発表した。9月末時点の政府目標だった91%には、届かなかった。またビル陰などによる受信障害に対応した共同受信施設の設置率は70・2%にとどまっており、来年7月の完全移行に向け不安も残した。
家電エコポイント制度の延長で、デジタルテレビの販売が引き続き好調だったことに加え、完全移行まで1年に合わせ、キャンペーンなどを展開したことも普及を後押しした。
ただ、3月末には普及率が83・8%となり、目標の81・6%と初めて上回ったが、9月末は再び下回る結果となった。これに対し、総務省は、未対応の世帯へのアンケート調査で、残り9・7%のうち7・6%が「来年7月までに購入予定がある」と回答しており、それを加えると97・9%になるとしている。
都道府県別で普及率が最も高かったのは、新潟県の95・1%で、最も低かったのは、沖縄県の78・9%だった。年収が200万円未満の世帯での普及率は前回調査から12・8ポイント上昇して80・3%となったが、平均を10ポイントも下回っている。
片山善博総務相は24日の閣議後会見で、目標を下回ったことについて、「誤差の範囲」と述べ、完全移行に自信を示した。