地下鉄東西線、1日の輸送人員8万人届かず 仙台市19年度決算

仙台市地下鉄東西線の2019年度の輸送人員は1日平均7万9600人で、開業時の需要予測8万人に届かなかったことが、25日公表された市高速鉄道事業会計決算で分かった。当初予算では輸送人員を8万2000人とし、需要予測を上回る利用を初めて見込んだが、年度末に新型コロナウイルスの影響を受けた。
 1日平均輸送人員の見込みと実績の年度別推移は表の通り。
 開業以来、利用者は増加傾向にあり、19年度は若林区の荒井駅や六丁の目駅周辺で住宅開発が進んだ。人口増を追い風に輸送人員が7%伸びると予測したが、決算によると、伸びは3%程度にとどまった。
 新型コロナの感染拡大に伴い、市内の公立学校が今年2月末に臨時休校したため、年度終盤になって通学利用者が大きく落ち込んだことが足を引っ張った。
 20年度は外出自粛で利用者がさらに減少している。当初予算で見込んだ8万4000人は達成不可能とみられ、市交通局は開業初年度の水準となる5万7000人への下方修正を決め、関連の補正予算案を市議会9月定例会に提出する。
 市交通局の担当者は「利用が伸びてきた時期に新型コロナの直撃を受けた。現在は7割程度まで回復したが収束は見通せず、いつ8万人に到達できるか分からなくなった」と頭を抱える。

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