地下鉄東西線予測修正、採算性に懸念「パンダ効果」期待も

 仙台市が25日公表した地下鉄東西線の需要予測修正は、当初見込んだ1日の利用者11万9000人が33%も減少し、8万人に落ち込んだ。市交通局は建設費を16%圧縮できる点などを挙げ「安定的な経営は確保できる」と強調したが、再評価の信頼性や開業後の採算性をめぐり、巨大プロジェクトへの不安や疑問があらためて渦巻いた。
 市議会の中堅議員は「市は費用対効果では問題ないと言うが、減少率で見たら大変厳しい数字。当初の見通しも甘かった」と批判した。
 それでも沿線の八木山動物公園(太白区)へのジャイアントパンダの受け入れが実現することを想定し、「8万人を上回る可能性がある」と期待を寄せた。
 仙台市民オンブズマン代表の千葉晃平弁護士は「開業してしまえば、赤字の垂れ流しが続く。建設を中止すべきだ」と求めた。オンブズマンが建設差し止めを求めた訴訟は敗訴が確定したが、「市は少なくとも今立ち止まり、中止と続行のメリット、デメリットを市民に提示してほしい」と注文を付けた。
 2005年に開業した福岡市の地下鉄七隈線では、需要予測の再評価で1日15万人から11万人に下方修正されたが、実際の利用者数は6万人前後にとどまる。
 1日15万人が利用する仙台市の地下鉄南北線も予測(22万人)を大幅に下回り、累積欠損額は10年度決算時で1042億円に上る。
 仙台市交通局は「運賃収入は減少するが、建設費の縮減や人件費の抑制といった経営努力で補う」と説明する。

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