仙台市が整備する地下鉄東西線の利用者見通しをめぐり、17日に市が裁判所に提出した「パーソントリップ(PT)調査」に基づく試算数値は、3通りの設定に基づく需要予測のすべてが市の予測を下回った。それぞれの算出根拠や前提には、否定的な見解も示されている。
今回のPT調査では、都市形成の方向性に加えてJRなどの鉄道、バスの運行状況について、3通りの設定を基に数値をはじき出している。市の需要予測が11万9000人だったのに対し、PT調査の利用者試算は4万9000―6万人の3通りとなった。
中心部空洞化と、郊外への市街地拡大によるマイカー依存型社会を前提にした「設定(1)」で、東西線利用者が最も少なくなった。「設定(2)」はバスレーンの増加とバス路線の大幅増便、「設定(3)」はJR線の大幅増便が大きな前提になっている。それぞれバス、JRの利用者が現在に比べて膨らむと試算している。
いずれも東西線と競合するバス路線の存続が前提で、「市が沿線で進めようとする施策とは反する」(都市整備局)と市はみている。
PT調査に対して市は、東西線整備に合わせて沿線開発など駅周辺に集約する形で市街化が進むと予測する。
バスは、東西線と競合する中心部発着の便を減らし、地下鉄との乗り継ぎに重点を置いた路線に再編成、「パークアンドライド」などのシステム活用による需要増も前提にしている。
仙台市民オンブズマンなどは、市が算出根拠に採用している人口予測などを非現実的と批判している。
2007年04月18日水曜日
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