地元と本格協議開始 仙台・荒井東スマートシティー

日立製作所とNTTグループは25日、仙台市若林区荒井東地区での環境負荷の小さい次世代型都市「スマートシティー」構想の実現に向け、地元の推進団体との本格的な協議を始めた。両者は、メガソーラー(大規模太陽光発電所)を核にしたシステム構築に協力することで合意。事業の実施母体となる新たな組織を3月末をめどに設立させる方針も確認した。
 協議は仙台市青葉区の日立東北支社で非公開で行われた。地元の荒井東土地区画整理組合の関係者らでつくる「アライグリーンシティ構想委員会」や東北大の研究者ら計約30人が出席した。
 構想委委員長の大村虔一元東北大大学院教授によると、太陽光発電やガスエンジンなどによるコージェネレーション(熱電併給)といった先進技術を、まちづくりに生かす方策を最優先課題と位置付けた。
 構想では計画地は市地下鉄東西線荒井駅(仮称)南側の区画整理事業用地約34ヘクタールで、地下鉄開業の2015年度の実現を目指す。誘致を予定する病院などで発電した電気を利用するほか、現行法では認められていない一般家庭に供給する方策も探る。
 東北電力に対して協議への参加を要請することも決めた。
 荒井東地区は東日本大震災で津波被害を受けた市沿岸部からの移転候補地になっている。大村氏は「震災からの復興に向け、環境に優しく暮らしやすい先進的なまちづくりを目指したい」と話している。

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