宮城県石巻市相野谷の飯野川商店街の看板メニューにしようと、石巻専修大(石巻市)の学生と地元商店主たちが、サバのあらで取っただしをスープに使う「サバだしラーメン」の開発を進めている。地域資源を活用し、東日本大震災で打撃を受けた水産関連産業の復興にもつなげるのが狙い。学生たちは商店街で8月末にあった歩行者天国で試作品を販売し、好評を得た。
商品づくりを行っているのは、同大経営学部の石原慎士准教授が指導するゼミの学生たち。学生は、飯野川商店会の有志約30人でつくる河北まちづくり研究会と昨年から活性化策を検討。地元で昔から料理に使われてきたサバだしに着目した。
だしは、サバの頭部など加工時の未利用部分を使うのが特徴。香りが強く、深みのあるうま味が出せる。学生らが研究会の技術指導で試作を重ねており、将来は商店街の食堂などがそれぞれの味付けでメニューを提供することを想定している。
試作品販売では約150食を完売した。購入者からは「さっぱりしていて食べやすい」(石巻市の公務員男性)と評価する声が聞かれた。研究会の佐藤祐樹会長(63)は「近くの道の駅『上品の郷(じょうぼんのさと)』のお客さんらを、商店街に呼び込む取り組みにつなげたい」と意気込む。
同ゼミの4年小野寺佳祐さん(21)は「サバだしは水産加工業への支援にもなる。復興ブランドとして発信したい」と話す。ラーメンは、10月8、9日に開かれる石巻専修大の大学祭でも販売する。