例年、住みたい街のランキングでは、吉祥寺や恵比寿といった都心に近く買い物するのに便利な街が人気を集めるが、東京の地理を知り尽くした人が選ぶ住みたい街はどこなのか。
大手地図会社に10年以上務める”地理のエキスパート”斎藤春樹さん(仮名・35歳)に今回話を聞いた。
「毎 年地図作成のための調査で東京23区を歩いていますが、自分が一番良いと感じたのが文京区。武蔵野台地内に位置するため高地にあり坂が多く、行くたびに異 なった表情を見せてくれるため飽きないエリアです。その中でも特に茗荷谷がオススメ。周りに自然や学校が多く、比較的高齢層が住むこともあってか、静かで 治安も良好です」
交通の観点からランクインしてきたのが本所吾妻橋と新小岩だ。
「本所吾妻橋周辺には浅草通り、三ツ目 通り、春日通りがあり、初訪でも迷わないスッキリとした道の作りが良いですね。浅草、東京スカイツリーに歩いて行けるのも魅力的。下町情緒豊かな新小岩 は、とにかく電車のアクセスが良好。秋葉原や新宿といった都心中央部だけでなく、横浜・千葉方面へも乗り換えなしでいけるのはこれ以上ない強みです」
4位、5位の成城学園前と下高井戸は、地図会社らしく”ただ歩いていて楽しい”という理由でランクイン。
「成城学園前は整然とした格子状の道になっていて、幅も広くどこか安心感があります。一方の下高井戸は道幅は狭く、とにかく細い道が多いのですが、それがRPGゲームのダンジョンを探検しているような気分にさせられます」
<地図会社社員が選ぶ住みたい街ランキング>
1位 茗荷谷(丸ノ内線:文京区)
地盤も固く、地震の影響も比較的受けにくい。子供連れ、一人暮らしの女性には最適
2位 本所吾妻橋(都営浅草線:墨田区)
東京のシンボルでもある雷門&東京スカイツリーの中間に位置し、治安も安定
3位 新小岩(総武線:江戸川区)
風俗街があり治安を懸念するが、駅周辺を少し離れれば喧騒とは無縁。渋い飲み屋も多く、酒好きにはたまらない
4位 成城学園前(小田急線:世田谷区)
街行く人の上品さと道の落ち着いた雰囲気がまさに”東京らしさ”を演出。逆に近くにある田園調布は名前負け
5位 下高井戸(京王線・世田谷区)
「歩く」という楽しさを感じられる街。新宿や三軒茶屋へ電車で一本で行けるアクセスの良さも魅力
こうしてみると、毎年発表される住みたい街ランキング上位に並ぶ顔ぶれとは違い、独自の回答が出揃った。現在部屋をお探しの方はぜひこれを参考にしてみてはいかがだろうか。 <取材・文/日刊SPA!取材班>