地域に元気を 塩釜のFM「ベイウェーブ」通常放送を再開

 宮城県塩釜市内を放送エリアとするコミュニティーFMラジオ局「ベイウェーブ」(横田善三郎社長)が通常放送を再開した。東日本大震災で被災し、これまでは臨時災害放送局として業務を続けていた。設備増強などで震災前は対象外だった同市浦戸諸島も放送エリアに加わり、市内全域で聴くことが可能になった。
 通常放送は26日から。運営会社は地域の復旧の進展などを受け、被災者情報を中心に放送する臨時災害局としての役目を終えたと判断した。被災者向けの情報は今後も必要に応じて流す。
 放送エリアの拡大は新しいアンテナをはじめ設備の充実で実現した。離島の住民に対する情報提供の強化を図るため、市が総務省の「地域のきずな再生・強化事業」を活用して整備した。
 通常放送再開を記念して同市海岸通のマンション1階のスタジオで行われたセレモニーには佐藤昭塩釜市長、奥英之東北総合通信局長らが出席。ラジオ番組では佐藤市長も出演し、放送エリアに加わった浦戸野々島からの声も届けた。
 ベイウェーブは同市尾島町にあった旧スタジオが津波被害を受けた。市役所庁内に仮設のスタジオを設置、臨時災害局の許可を得て放送を継続。2011年12月に現在地にスタジオを移した。
 臨時災害局は震災後、県内に12局開設された。コミュニティーFM局に移ったのは、臨時局に携わった関係者らがスタッフとなった「おおさきエフエム放送」(大崎市)を含め3例目で、沿岸部では初めて。

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