地域ブランド化へ「薬莱ワサビ」初出荷

2007年03月01日

 県北の薬莱(やく・らい)山からわき出る冷水で栽培した「薬莱ワサビ」が28日、初出荷された。加美町の農家で作る「加美町わさび生産組合」と、県内大手のゼネコン、奥田建設(仙台市)が約1年2カ月かけて育て上げた。「地域ブランド化」に向けて、県内外に出荷先を広げていきたいとしている。

 雪の残る加美町の山あいにワサビ田が広がる。脇のビニールハウスでは仕分け作業が進み、ワサビの香りが鼻の奥をつんとくすぐった。

 休耕田を利用したワサビ栽培が始まったのは05年12月。「雇用創出を図り、地域の特産品に育てたい」との願いで、20アールの土地に8千株を植えた。今では約4倍の80アール、3万6千株に広がり、約50トン近くの収穫が見込まれるようになった。

 採用した栽培方法は、「ボックス式ワサビ栽培装置」。プラスチック製のケースに植え付け、わき水をシャワー方式で直接、根元に注ぎ続けることが出来るため、生育が早く、肉付きのいい均質なワサビに仕上がったという。大きいものでは200グラム、子どものこぶしほどもある。

 この日は、個人向けのギフトパック100箱が送り出された。同組合の加藤孝志代表は「米だけに頼っていた地域の新しい産業として確立させたい」と話した。

 問い合わせは、同社(022・275・2311)まで。

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