地域商圏の衰退鮮明 18年・宮城県調査、仙台集中が加速

宮城県は、県内の消費者が買い物する地域を調べる2018年消費購買動向調査(商圏調査)の結果をまとめた。各商圏を訪れる地域内外の買い物客数(吸引人口)は仙台市以外の10商圏で減少。仙台への一極集中と、それ以外の地域の商業基盤の衰退傾向が鮮明になった。
 調査対象となる商圏の数は、15年調査時と比べて1減の14となった。旧志波姫地区で、日用品や食料品などを除く商品の地元購買率が25.1%となり、商圏形成要件(30%)を満たさなかった。
 東日本大震災後に進んだ地域の人口減少などを背景に、旧気仙沼の吸引人口が15年比15.5%減の4万6607、旧築館が15.0%減の1万307になるなど、6商圏で10%以上の大幅減となった。
 仙台市内の4商圏はいずれも増加した。仙台宮城野は9.3%増の14万7013だった。15年7月に仙台うみの杜水族館が開業した影響で、周辺商業施設の利用客が増えたことが理由とみられる。
 市中心部を含む仙台青葉の吸引人口は34万8489で、微減だった前回から1.5%の増に転じた。商圏に含まれる市区町村は前回比5増の33となった。仙台圏以外の県北、県南にも広がる「超広域型」の商圏を形成し、商圏人口は県内の74.9%を占めた。
 吸引人口10万人以上の広域型が仙台太白、仙台宮城野、仙台泉、名取、旧古川、旧石巻。同2万人以上の地域型が多賀城、利府、富谷、大河原、旧迫、旧気仙沼。規模が小さい地区型は旧築館のみとなった。
 県商工金融課の担当者は「商圏は県内にバランスよく分布しているのが理想だ。地域の商業をどう振興するかが課題になっている」と分析する。
 商圏調査は18年10月中旬、県内公立小3年の保護者を対象に調査票1万3637枚を配布し、79.7%から回答を得た。合併前の旧市区町村単位で買い物の動向を調べる。

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