地域課題解決 若者が発案「ミラソン」成果

学生や若手の社会人が仙台市の若手職員と地域課題解決のアイデアを練る「仙台ミラソン」が成果を上げ始めている。市などが 2012年度に始めた若者向け人材育成事業で、ミラソン発のアイデアが商品化につながったケースもある。市は「若者の自由な発想は職員にも良い刺激にな る」と取り組みをさらに深化させる考えだ。
ミラソンは、未来とマラソンを組み合わせた造語。毎年夏から約半年かけて、学生らが市職員のアドバイ スを受けながら地域の課題と解決策を話し合う。これまでに自転車交通ルール周知のための無料通信アプリLINE(ライン)用のスタンプや、観光客誘致に向 けて市街地を舞台にした体験型脱出ゲームなどのアイデアを形にしてきた。
本年度のワークショップが22~24日、市地下鉄東西線国際センター駅 2階の青葉の風テラスなどであり、市内外の学生ら延べ35人が参加した。市が提示した「防災意識レベルの向上」「デートDVの予防・啓発」「東西線の利用 客増加」など7テーマについて実地調査や市職員との意見交換を実施。来年2月の発表会までに構想をまとめる。
本年度のミラソンは、昨年7月に市 の市民協働まちづくり推進条例が施行されてから初めての開催。条例が基本施策に掲げる「次の世代のまちづくりの担い手となる若者の育成」につながると、本 年度からは学生らのグループごとに活動費約5万円を支給。一方で、市職員の協働意識を高めるためテーマは市側が提示する形に変えた。
「西公園(青葉区)の利活用・周辺地域の活性化」のテーマで、ダンスイベントの開催を提案した専門学校1年の菊池智昭さん(19)=泉区=は「市職員の話を聞いて多くの気付きを得られた。企画力や発信力を養えた」と話した。
平嶋教義市民協働推進課長は「市職員も市民と一緒に政策を作り上げていく力を養うことで協働に対する理解を深め、協働のまちづくりを推し進めていきたい」と期待する。

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