東北経済連合会は5日、新潟を含む東北7県の2040年の将来人口推計を発表した。国の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づく地域創生施策を実施した場合、人口減少を74万人分抑制する歯止め効果があると試算した。
国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が既に公表している推計と、東経連が試算した独自の推計を比較した。独自推計では、地方創生施策のうち(1)出生 率向上(2)地元大学進学率引き上げ(2)移住受け入れ拡大(4)人口流出を防ぐ仙台市の「ダム機能」強化-の四つを実施した想定で調査した。
社人研の推計では10年実績から305万6000人減少したのに対し、独自推計では減少幅が231万6000人にとどまった。
県別の推計は表の通り。歯止め効果の最多は宮城の22万8000人。うち17万人を仙台市が占めた。新潟13万6000人、福島10万9000人、青森8万3000人と続いた。
74万人の施策別内訳は、出生率向上の自然減対策が30万9000人、若年層の地元就学・就職やUIJターンの促進といった社会減対策が43万1000人。青森は自然減対策の効果が大きく、他の6県では社会減対策が上回った。
東経連の担当者は「東北で集積しつつある自動車や医療機器、将来有望な加速器関連など戦略的な産業の振興が必要。それを支える若い人材を地元で育てていくことが人口減の歯止めにつながる」と強調した。
東経連によると、経済団体が地域の将来人口を推計するのは全国初。地方自治体が地域版の人口ビジョンと総合戦略を15年度内に策定するのに合わせ調査した。