国土交通省は19日、2019年1月1日時点の公示地価を発表した。東京、大阪、名古屋の三大都市圏を除いた地方圏の住宅地が前年比0・2%上昇した。上昇は1992年以来27年ぶり。これまで都市部で目立っていた地価の回復が、地方にも広がりつつある。
【写真】地価上昇率が34.7%と東京圏の商業地でトップだった東京・浅草。外国人観光客の増加で店舗やホテル向けの土地の需要が強いという=東京都台東区
地方圏の商業地は1・0%上がった。上昇は2年連続で伸び率は前年(0・5%)より拡大した。住宅地、商業地、工業地などを含めた全用途も0・4%上昇(前年は0・04%上昇)した。
地価の回復は、これまで三大都市圏や札幌、仙台、広島、福岡といった都市部で進んできた。今回は地方都市でも訪日客の増加や駅前などの再開発が進み、上昇に転じる地点が増えた。ホテルや商業施設の需要が増え、交通利便性が高い駅前などではマンション開発が活発だ。日本銀行の金融緩和策によって超低金利の投資資金が地方の中心部にも流れ込んでいる。
都道府県別では、地価が上昇に転じたのは住宅地で4道県増えて18、商業地で1県増えて22になった。
全国の商業地の最高価格は東京・銀座4丁目の山野楽器銀座本店で、1平方メートルあたり5720万円。伸び率は3・1%と前年の9・9%より鈍化した。(北見英城、田中美保)