地盤沈下一転、12か所で10センチ以上の隆起

 東日本大震災で大規模な地盤沈下が起きた宮城、岩手、福島3県の沿岸部で、地盤が一転して隆起し、復興途上にある漁業への影響が懸念されている。

国土地理院は震災を引き起こした地殻変動の余波とみている。

国土地理院は震災後、地盤沈下した3県沿岸部の状況を定期的に全地球測位システム(GPS)で調べている。その結果、3県の19か所中12か所で、震災から3年半の間に10センチ以上の隆起が確認された。

最も大きいのは107センチ地盤沈下した宮城県石巻市の牡鹿半島で、沈下地点から36センチ隆起していた。ほかにも同県女川町で33センチ、東松島市で31センチ、岩手県大船渡市で17センチ、福島県相馬市で16センチの隆起が確認された。

国土地理院によると、震災をもたらした沖合でのプレート(岩板)のずれが、ゆっくりと沿岸部にも波及している可能性があるという。地殻監視課は「震災前のGPSの観測では、30センチ以上もの隆起が見つかった事例はない」としている。

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