宮城県栗原市、美里町の酒蔵と仙台市若林区の若手野菜農家2人が、消費者と顔の見える関係づくりを目指す企画「みやぎSAKEベジCSA」の会員募集を9日に始める。作り手と消費者が直接取引して互いの信頼関係を深める地域支援型農業(CSA)の手法を使った試みで、昨年に続き今回で2年目。
作り手と消費者が直接取引 産地ツアーや交流会9日募集開始
酒蔵は今回、栗原市の萩野酒造と美里町の川敬商店が担当。野菜農家は昨年と同じ平松農園の平松希望さん(29)と仙台あぐりる農園の小倉真紀さん(26)。
会員には月1回、オリジナルの地酒1本(300ミリリットル)と新鮮な野菜6品前後を提供。仙台市青葉区の酒のかわしま立町店で、会員に直接受け渡す。
昨年は、応募者が募集した50人を上回る人気だったため、今回は会員数を80人に増やした。企画した日本酒ソムリエ「唎酒(ききざけ)師」の資格を持つ仙台市の早坂久美さん(57)は、「地元の日本酒、野菜に興味のある人が、作り手を知り関係を深める場にしたい」と強調する。
会員には、酒蔵や農場を訪れる体験型の産地ツアー、会員同士の交流会、交流サイトでの日本酒に合うレシピの紹介などの特典がある。
川敬商店の醸造責任者川名由倫さん(33)は「CSAの企画は日本酒に興味がある人と出会う良い機会と思った。普段提供していないようなお酒を楽しんでもらいたい」とPRする。
平松さんは「昨年は日本酒に合わせて3種の枝豆を提供した。コロナで難しかった会員との交流も今年は増やしたい」と意気込む。
受け渡しは7月8日から来年2月まで月1回の計8回。第2金曜日午後2時から6時まで。会費は1万6000円。詳細は、酒のかわしまのウェブサイトに記載している。