地酒ラベル「川口納豆」前面に インパクト狙い発売 栗原

一升瓶のラベルに「納豆」の文字? 宮城県栗原市一迫の有限会社「川口納豆」が栽培した酒造好適米を、地区内の「金の井酒造」が仕込み、このほど特別純米酒を完成させた。納豆菌が入っているわけではなく、農業法人名として印刷した。しっかりした味わいに仕上がった酒は、9月上旬に限定発売する。
 出来上がったのは、一迫の金田地区産美山錦を使用した生原酒。地場産の酒米を使うのは約30年ぶりで、2月から試験的に仕込み、3月末に搾った。これまで使用してきた長野県産美山錦に比べ、酸度が高めで味は若干荒々しいが、しっかりとした味に仕上がった。
 納豆やみその製造のほか、米や野菜を作ってきた「川口納豆」が試験的に米作りを契約栽培した。倒伏を防ぎタンパク分を抑えるため、窒素分を控え、苗を植える間隔を広めにするなど工夫しながら、環境保全米の基準で栽培した。
 ラベルには、川口納豆が製造する納豆の赤いパッケージをそのまま一升瓶に使用した。消費者の目をひきながら、農業法人名としての「川口納豆」を使うことで、生産者を前面に明示した。
 現在、首都圏の飲食店など向けに試飲してもらっているが、多くの参加者が驚くという。金の井酒造の三浦幹典社長は「お客さんは『あり得ない』と言いながら、興味を示してくれる」と、インパクトあるラベルに手応えを感じている。
 川口納豆の門伝英慈社長は「社名には『納豆』が入っているが、野菜の栽培など、いろいろやっている。酒米作りはあまり経験できるものではないので、普段の米作りとは、気合の入り方が違った」と話した。
 1000本を発売する。連絡先は金の井酒造0228(54)2115。

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