(ブルームバーグ): 地方銀行が相次ぎ初任給の引き上げに動いている。優秀な人材の確保を狙う一方、物価上昇などを背景に賃上げを求める政府の要請にも対応する。金融業界での初任給を含めた賃金底上げの動きは、大手銀行や証券会社に加え、地銀にも広がっている。
地銀最大手の横浜銀行は今年7月から、大学卒の初任給を22万円と1万5000円引き上げる。広報担当者は、若手行員を中心に士気向上や離職率の抑制を図るのが狙いと説明した。
山陰合同銀行も7月から一律4万5000円引き上げると発表した。大学卒(転居を伴う転勤あり)で25万円とする予定。引き上げは2015年6月以来、8年ぶり。24年度からはデジタル金融専門人材の新卒採用も開始し、新たなキャリアパスを設ける。
岸田文雄首相は企業にインフレ率を超える賃上げの実現を要請しており、金融業界では三菱UFJ銀行などメガバンク3行のほか、大和証券グループ本社や日本生命保険などが、初任給の引き上げに動いている。
他行も相次ぎ初任給の引き上げを発表している。東北銀行、肥後銀行、鹿児島銀行、北日本銀行は今年4月から大学卒(転居転勤あり)で1万5000円引き上げ22万円とする。滋賀銀行、岩手銀行、七十七銀行、伊予銀行、大分銀行なども4月以降、4500円-1万5000円程度引き上げる。