坂本龍一さんの法人と新潟市が協働協定 間伐材燃料推進

 音楽家の坂本龍一さんが代表を務める一般社団法人「モア・トゥリーズ」が、間伐材を用いてつくる燃料「木質ペレット」の製造や普及を進めてきた合同会社「木質ペレット推進協議会」(新潟市秋葉区)や新潟市とともに、森林づくりを協働で進める基本協定を締結した。21日、坂本さんと新潟市の篠田昭市長、同協議会の古川正司理事長が秋葉区内で調印式に臨んだ。
 同協議会と市は、「にいつ丘陵」(秋葉区)の市有林の間伐材でつくった木質ペレットを、石油などの代わり活用。同区で盛んな園芸農業に欠かせないビニールハウスなどのストーブの燃料にすることでエネルギーの「地産地消」を図るしくみをつくっている。
 同協議会は今年2月、森林が吸収する二酸化炭素を「クレジット」(証券)として売却できる環境省の「オフセット・クレジット」の認証を受けた。今回の協定でモア・トゥリーズは今後、ペレットを燃料として使用し、二酸化炭素を削減することによって発行されるクレジットを企業などと取引するほか、地域産業の新市場開拓を支援する。
 坂本さんは「僕らの次の次の次の世代も、僕らが享受したような楽しさを享受できるような自然環境を残していきたい」と話した。篠田市長が「食料自給率だけでなく、エネルギー自給率も上げていきたい」と語ると、坂本さんは拍手で応じた。(伊木緑)

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