基準地価、仙台マイナス幅縮小 東北は下げ幅ほぼ横ばい

国土交通省は21日、7月1日現在の都道府県地価(基準地価)の調査結果を発表した。東北6県の平均地価は住宅地で4.1%、商業地で6.1%それぞれダウンし、住宅地は12年連続、商業地は19年連続の下落。マイナス幅は「リーマン・ショック」の影響を受けた前年と同水準で、ほぼ横ばいだった。前年、大幅下落に転じた仙台市は住宅地、商業地とも下落率が縮小した。
(16.22面に関連記事) 県別の平均地価と変動率は表の通り。福島を除く5県で、いずれも全国平均の下落率(住宅地3.4%、商業地4.6%)を上回った。三大都市圏を中心に下落率は縮小したが、東北の低迷ぶりが鮮明になった。
 住宅地は青森、岩手、秋田の北東北3県で下落率が前年より拡大し、宮城、山形、福島の南東北3県は縮小。商業地も南東北3県が縮小した一方、北東北3県は秋田が前年と同じ、青森と岩手は下げ幅が拡大した。
 仙台市は住宅地で2.2%、商業地で6.1%下落。不動産投資ファンドの動きが止まるなど、急速な景気悪化の影響を受けて上昇傾向が一転し、商業地で東北最大の下落率を記録するなどした前年(住宅地3.0%減、商業地9.7%減)に比べて、マイナス幅は改善した。
 6県の県庁所在市を見ると、山形市は住宅地と商業地の下落幅が縮小。青森市、福島市はともにマイナス幅が広がった。秋田市千秋久保田町は、三大都市圏を除く地方圏の商業地で5番目に大きい下落率(15.1%減)となった。
 東北の調査地点で横ばいだったのは住宅地が秋田県大潟村、福島県下郷町など6カ所、商業地は仙台市若林区の1カ所にとどまった。
 工業地では、青森県七戸町が前年に続いて全国で唯一のプラス地点(1.4%)だった。12月の東北新幹線の新駅開業を前に、道路などの周辺整備が進んで利便性が高まったためとみられる。
[基準地価]国土利用計画法に基づき、都道府県知事が毎年7月1日時点で調べる基準地の価格。一般の土地取引や固定資産税評価の目安になり、毎年1月1日時点で調査する「公示地価」とは補完関係にある。継続調査している2万1786地点に、地点の入れ替えで新たに対象となった915地点を加えた計2万2701地点について、不動産鑑定士らが周辺の取引事例などから1平方メートル当たりの価格を算定した。

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