基準地価、2年連続で上昇 地方圏も31年ぶりにプラス

国土交通省が19日発表した7月1日時点の基準地価は、全国平均(全用途)の変動率が前年比プラス1・0%となり、2年連続で上昇した。上昇幅は前年(プラス0・3%)から拡大した。東京・大阪・名古屋の3大都市圏がプラス2・7%だったほか、地方圏もプラス0・3%と31年ぶりに上昇し、地価上昇が地方にも波及していることが鮮明となった。 【東京タワーより高い…最上階300億の高級マンション】  新型コロナウイルス禍後の景気回復や訪日外国人観光客の復活で、商業地、住宅地ともに上昇が加速した。また、半導体工場の進出が決まった地方では、商業地、住宅地ともに大幅に上昇した。  商業地は、プラス1・5%と2年連続で上昇。3大都市圏はプラス4・0%で、前年(プラス1・9%)から上昇幅が拡大。地方圏もプラス0・5%と4年ぶりにプラスに転じた。そのうち、地方4市(札幌、仙台、広島、福岡)がプラス9・0%と大幅に上昇。その他の地方圏もプラス0・1%と、バブル景気が終わった1991年以来、32年ぶりに上昇した。経済活動の正常化で店舗などの需要が増えているほか、観光客の増加で多くの観光地で回復傾向となった。  住宅地もプラス0・7%と2年連続で上昇し、上昇率は前年(プラス0・1%)から拡大した。3大都市圏はプラス2・2%と3年連続で上昇。地方圏もプラス0・1%と31年ぶりに上昇した。テレワークの普及などで、郊外にも上昇が波及している。  商業地、住宅地ともに上昇率トップは半導体工場の進出が決まった地区。商業地の上昇率トップは、半導体の受託生産世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の工場ができる熊本県菊陽町に隣接する大津町で、住宅地の上昇率トップは半導体の新会社「ラピダス」の工場進出が決まった北海道千歳市。  商業地の最高地点は、18年連続で東京・銀座の「明治屋銀座ビル」で、1平方メートルあたり4010万円だった。【道下寛子】

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