《噂としては聞いていました。私自身は被害を受けたことがなく、受けている現場に立ち会ったこともなく、先輩たちからも後輩たちからも相談がなかった。噂という認識はありましたが、自ら行動するということはできずにきました》(東山紀之)
《小学6年の頃にジャニーズ事務所に入りました。その頃から既に(暴露)本が出ていたので、周りのみんなと、仲間たちと噂はしてていて、“そうなったらどうしよう”という話をしていました》(井ノ原快彦)
ジャニーズ事務所の代表取締役社長を辞任した藤島ジュリー景子氏、新たに社長職に就いた東山紀之、そして子会社「ジャニーズアイランド」社長の元V6・井ノ原快彦らが質疑に応じた9月7日の記者会見。
焦点の一つとなった、ジャニー喜多川氏による元ジャニーズJr.たちへの性加害の事実を「知っていたのか」との問いに、ジュリー氏と同様に「噂は聞いていた」との回答に並んだ東山と井ノ原。
姪っ子のジュリー氏よりも、ジャニー氏とは所属タレント、Jr.として密に関わる時間が多かったであろう彼らだが、どうやら噂は聞けども性加害の実態を目の当たりにすることなく今日まで活動を続けてきたようだ。
そして会見後に放送された『news zero』(日本テレビ系)に、有働由美子キャスターからの質問に答える形でVTR出演した嵐・櫻井翔。「性加害の有無」に話が及ぶと、
《実態は把握しきれていないというのが正直なところ。お二人方(東山と井ノ原)とも口にしていましたけど、噂として耳にしたことはありました。ただ当時は自分も子どもでしたし、正直、半信半疑。“そんなことあるのかな”という印象を抱いていました》
ジャニー氏の闇の部分が結びつかない
こちらも「噂として耳にした」と説明。そして9日の『週刊ニュースリーダー』(テレビ朝日系)に出演したTOKIO・城島茂も同じく、
《クリエイティブなプロデュースをしたりするジャニー氏と、性加害の人物だという闇の部分がイコールすることが、当時10代の自分は結びつかなかったというのがありまして、まさかというのが事実です》
ジャニー氏の“闇”の噂を聞いてはいたものの、周囲では「起こっていなかった”とするような物言いに。
そんな城島と同意見を持っていたのがKinKi Kids・堂本光一。会員制サイトにて、
《自分の知っているジャニーさんと違いがありすぎて何が真実でどう受け止めればいいのか、とても難しく感じておりました。彼の裏の顔を信じたくない気持ちも正直あります。》
ジャニーズイズムを体現してきた“申し子”、光一だからこその恩師への複雑な心境を吐露するとともに、
《はっきり申し上げれば自分は被害を受けていません。噂で耳にした事はありましたが、実際に被害に遭ったという話は先輩や同期や後輩から直接聞いたことはありません。》
舞台やミュージカルで多数のJr.と関わる機会が多かった彼にしても、やはり東山らと同じく「噂で耳にした」だけで、被害の全貌を掴めていないとしている。
性加害に直面する機会がなかった
しかし、被害を訴えるべく実名で立ち上がった「当事者の会」以外にも、少なく見積もっても数百人とも言われる被害者。それも、はるか昔のことではなく、ジャニー氏が死去した2019年よりわずか数年前、ごく最近まで起きていたという性加害。
それにもかかわらず、東山や光一、櫻井ら“デビュー組”にとっては「噂レベル」の話であって、“現在も信じられないような出来事”としているのだ。彼らの主張も事実だとすれば、なぜジャニー氏の性加害に直面する機会がなかったのだろうか。
「知っていたか、知らなかったかは別として、被害に遭わないタレントもいたのは事実なのでしょう」とは、ジャニーズを長年にわたって取材している芸能ライター。
被害者の告発を読み解くと、ジャニー氏が決まって犯行に及んだとされるのが、“合宿所”と称された都内のマンション。なんでも「ユー、合宿所に来ない?」との誘いから、深夜にJr.が就寝するベッドに入り込んで行為に及ぶという手口だ。
抵抗しない、口外しない少年を狙ったのか
「他にも合宿所は、地方住まい者がドラマ撮影などの仕事で夜遅かったり、朝早かったりした場合の宿泊施設としても使用されたといいます。よって櫻井くんのような、実家からの“通い組”は足を踏み入れてすらいない場合もあるようです。
つまりはジャニーさんからの誘いを受けていない、また寝泊まりを経験していないJr.は被害に遭うこともなかったため、噂は聞けども“本当なの?”と半信半疑だったのかもしれません」(前出・芸能ライター、以下同)
またターゲットにされたのは、肉体的にも精神的にもまだ未熟な少年たちばかりだったともされている。
「それがジャニーさんの嗜好だったのか、まだ“何をされているのかもわからない”ような少年。もしくは抵抗しなさそうな、行為を口外しなさそうなおとなしい少年に狙いをつけていたとも考えられます。
なんでもジャニーさんは、抵抗しない少年には行為をエスカレートさせる一方で、明確に“拒否”反応を示された場合はあきらめて退散することもあったといいます。普段、プロデューサーとして接する中で跳ねっ返りの強そうな、それこそ芸能界を生き抜ける強さを持ち合わせたJr.には手を出さなかったのではないでしょうか」
「 やっていることは鬼畜の所業」東山が会見で滲ませた怒りには偽りなさそうだ。