場外車券売り場「サテライト大和」来年3月末終了 売り上げ低迷で

宮城県大和町の競輪場外車券売り場「サテライト大和」が来年3月で事業を終了することが21日、分かった。近年は新型コロナウイルス感染拡大や、インターネットで車券を買える環境が整ったことで売り上げが減少。施設を保有する会社が、事業継続は困難と判断した。

オンライン投票普及

 町や施設の関係者によると、サテライト大和は2004年3月、県内初の場外車券売り場として開業。当初、年間80億円と見込んだ売り上げは04年度の約30億円がピークで、19年度に10億円を割り、21年度は約7億円と低迷した。

 この間、競合関係となる場外車券売り場「サテライト宮城」(村田町)が07年にオープン。東日本大震災では約100日間にわたって休業したほか、約300席あった3階部分の閉鎖を余儀なくされた。コロナ禍とオンライン投票の普及で業績悪化に拍車がかかったとみられる。

従業員は約30人

 施設を所有する松戸公産(千葉県松戸市)が、運営を委託する企業と対応を協議。委託契約が満期となる23年3月末で事業を終了する方針を決め今月9日、町に通知した。

 松戸公産の瀬田悟専務は「手の施しようのない赤字で、運営委託の契約更新や直営による事業継続はできないと判断せざるを得なかった」と説明した。委託企業が雇用する従業員約30人の処遇や建物と敷地の扱いは未定という。

 町には毎年、売り上げの0・5~1%が協力金として交付され、21年度までに累計約2億円が支給された。浅野喜高副町長は「協力金だけでなく、雇用の場や経済効果が失われることになり、町としては非常に残念だ」と話した。

【サテライト大和】「オートレース大和」を併設し、全国各地で開催される競輪とオートレースの車券を年間360日、1日約20のレースで販売する。大小約100のモニターと自動の発売機や発払機など約50の投票機台を備える。現在は特別観覧席とロイヤル席、一般観覧席の計約350席がある。

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