場所と始まり方が同じ地震、千島・日本海溝沿いで多数発見=大きさに階層構造―東大

千島・日本海溝沿いのプレート境界で起きる大小の地震の中には、発生場所と地震波の最初の波形がほぼ同じ地震が多数あることが分かった。陸海のプレート境界の一部がある程度規則的に滑って地震を繰り返しているとみられ、滑る部分が狭ければ地震が小さく、広くなれば大きくなると考えられる。

 東京大の井出哲教授が2004年から約15年間に観測された地震データを解析し、4日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

 井出教授によると、滑りの広がり方、地震の大きくなり方には階層構造がある。プレートの折れ曲がりや、海底から沈み込んだ山のような地形など、滑りの広がり方に影響する要因を解明できれば、大地震の起きやすさを場所ごとに推定するのに役立つという。

 北海道沖から関東沖の千島・日本海溝沿いでは、海側のプレートが陸側のプレートの下にゆっくり沈み込み続けている。すんなり沈んでいる部分では大地震は起きないが、何らかの要因で固着した部分に圧力が長年蓄積され、急に滑ると大地震が起きる。東日本大震災の巨大地震では、滑った部分が地震学者の予想を超えて広がった。

 岩手県釜石市沖、深さ約50キロのプレート境界では、マグニチュード(M)5程度の地震が約5年おきに繰り返し起きていることが知られる。井出教授の解析では、同じ場所で同じように始まる地震がほかにも多数あり、M4.5以上に大きくなる場合と、M2以上M4未満にとどまる場合があることが分かった。 

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