塩害に負けぬ「復興トマト」 岩沼の農家、東京で配

東日本大震災の津波で畑が冠水し、大きな被害を受けた宮城県岩沼市の農家が21日、震災後に栽培、収穫した塩害に強いトマトを、東京都中央区で通行人に無料配布した。
 「復興トマト」と名付けられ、同市の農家八巻文彦さん(42)は「育つかどうか心配だったが、無事に実を結び一安心。これからも先祖代々受け継いだ土地でトマトを作り続けたい」とほっとした表情を浮かべた。
 京都市下京区の農業関連企業が開発した特殊なバクテリアを使う方法で畑の塩分濃度を下げ、6月初めに植え付け。7月末から順次収穫できるようになったという。
 赤く熟し、ふわっとした甘みが広がるという復興トマト。21日は八巻さんや支援団体などが約500個を道行く人に手渡した。散歩の途中に通り掛かり、トマトを受け取った東京都港区の無職神戸孝行さん(60)は「トマトは大好物。被災地が早く復興できるように応援したい」と顔をほころばせた。

タイトルとURLをコピーしました