塩害農地に種まき 東北大院・菜の花プロジェクト

東北大大学院農学研究科のグループは10日、東日本大震災の津波で被災した仙台市若林区荒井の塩害農地で菜の花を植えた。農学研究科が進める「菜の花プロジェクト」の一環。
 大学や支援企業の関係者とボランティアら約70人が参加した。9月の台風などの影響で冠水したため、ぬかるむ場所も多かったが、参加者は額に汗を浮かべながら、30アールの水田跡に「キザキノナタネ」と呼ばれる品種の種をまいた。
 来年5月には花が咲き、夏には菜種が収穫できる予定。アブラナ科は塩害に強いとされ、キザキノナタネのほか、カラシナやハマダイコンなどアブラナ科の7品種の苗も植えた。来春にはインドから3品種の種も取り寄せてまく。
 塩分濃度などが異なる別の農地で先行栽培している品種と成育状況を比較する。
 プロジェクトは独立行政法人科学技術振興機構(東京)の助成など受け、同大大学院の五つの研究室が連携して取り組む。
 同大大学院の中井裕教授(環境微生物学)は「台風による冠水で作業が遅れたが、農地の塩分濃度は下がった。取れた菜種や菜の花はバイオディーゼル燃料や食用に活用したい」と話している。

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