塩釜神社「勝画楼」 市長、保存に意欲

塩釜神社(塩釜市)が解体方針を決めていた江戸期の旧書院「勝画楼(しょうがろう)」を巡り、佐藤昭塩釜市長は22日、市議会6月定例会の一般質問で「大変貴重な歴史的建造物」と現地保存に意欲を示し、神社と協議に入ったことを明らかにした。専門機関の調査で、藩主が滞在した際に使ったとみられる部屋の存在が新たに判明したことも報告した。
 佐藤市長は「(所有する)神社との間で建物の無償譲渡について話し合いを進めている」と説明。調査の最終報告が7月にまとまるのを待ち、文化財認定が可能かどうか検討する。
 市によると、勝画楼は1750年ごろの建築とされてきたが、市の委託で伝統建築研究所(仙台市)が調査した結果、現存する建物のうち玄関部分の部屋が少なくとも1640年代よりも古いことが分かった。藩主が滞在した際に使ったとみられる。仙台藩が残した図面に修復した記録が残っていた。
 勝画楼は、塩釜神社を管理する別当寺として江戸時代まで栄えた法蓮寺の旧書院で歴代藩主に愛された。建物を所有する神社は昨年12月、強風で屋根が損壊する恐れがあるとして解体を決定した。市議会は保存を求めて決議案を可決。市民グループも署名活動を展開している。

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