増え続けるオンラインギャンブル相談、低年齢化も 支援団体調査

米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の元通訳、水原一平被告の違法賭博問題は、ギャンブル依存症の深刻さをまざまざと見せつけた。国内でもスマートフォンの普及によりギャンブル依存症の原因が変わり、低年齢化も進む。

 公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」(東京都)によると、新型コロナウイルス禍以前はギャンブル依存症の原因は多くがパチンコだった。しかし、現在は、スマホ1台でできるオンラインギャンブルがメインになっているという。オンラインギャンブルに関する相談は増え続けており、同法人が23年に実施したギャンブル依存症者の家族へのアンケートでは、全体の2割を超えた。当事者は19年に20〜30代が約6割だったが、23年には約8割を占めるなど低年齢化が進んでいる実態も明らかになった。

 同法人の田中紀子代表は「24時間365日、スマホがあればできるオンラインギャンブルは依存症になりやすい」と説明する。オンラインのスポーツ賭博について10代の若者からの相談も増えており、オンラインギャンブルがはびこっている高校もあるという。田中代表は、水原被告の事件について「人ごとと思わず、依存症について正しく理解することが大事」と強調する。

 ◇回復には「仲間必要」

 ギャンブル依存症の治療に取り組む昭和大付属烏山病院(東京都)の常岡俊昭医師は、依存症について「依存対象以外に興味がなくなる。やめたくてもやめられず、自分が依存していることを認められない病気だ」と指摘。完治は難しいが、適切な治療とさまざまな助けを得て、回復することができるという。そのためには「病気を理解し、苦しみを分かち合える仲間が必要」だとして、自助グループなどにつながることを推奨している。【川原聖史】

 ◇ギャンブル依存症に関する主な相談窓口

 ◆各地で自助グループを展開しているギャンブラーズ・アノニマス(GA)日本インフォメーションセンター

 http://www.gajapan.jp

 ◆公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会

 070・4501・9625

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