売買事前にマッチング「仙台方式」成果着々

仙台商工会議所が中心となり、東日本大震災の被災企業などの販路回復を支援する商談会が成果を挙げている。商品を製造する企業側と買い付け側双方の意向を 事前に調べ、個別に交渉する「仙台方式」が奏功。一般的な商談会では5%前後とされる成約率は20%超に上る。仙台方式は16、17日に仙台市である被災 地の水産加工品を扱う全国規模の商談会でも採用される。

仙台商議所が事務局を務める宮城県商工会議所連合会は2013年度から東北6県の連合会と連携し、「伊達な商談会」を展開。仙台で月1、2回個別商談会を開くなどしてきた。
最大の特長は商議所のコーディネーター3人による事前のマッチングと手厚い支援だ。3人は百貨店や商社OBで、売る側と買う側の要望を書面などで把握し、 双方の考えが合致するケースで商談を組む。話し合いに同席し、終了後は参加企業に交渉時の評価や今後の展開を助言する。
伊達な商談会の成約率は13年度、900を超える商談で24%を達成。14年度は26%に伸ばした。コーディネーターの一人は「商談に不慣れな地元企業を後押しし、成約率を向上させたい」と話す。
参加企業の評判も上々だ。5月27日に仙台商議所であった仙台三越との個別商談会。豆腐製造販売の菅野食品(仙台市)は「商談会で実績が上がり自信がついた」と効果を実感。仙台三越の担当者も「事前に希望を伝えてあり、的を絞って交渉できた」と語った。
16、17日の「東北復興水産加工品展示商談会2015」は青葉区の仙台国際センターである。東北6県の連合会が初めて、全国水産加工業協同組合連合会など水産3団体と開催。青森、岩手、宮城、福島、茨城の被災5県の水産加工96社や国内外の買い付け担当者が参加する。
仙台方式の個別商談会のほか、一般的な展示ブースの商談会や出展企業の企画発表がある。仙台商議所は「一度失った販路はすぐに戻らない。継続した取り組みが必要で、さらなる支援策を考えたい」と意気込む。

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