変化を楽しめないと激動の世の中を生きられない!流動性・不確実性の時代に増える「フラックス世代」

 政治や経済をめぐる世界の情勢は日々刻々と変化しており、それは激動と呼ぶにふさわしい。日本国内を見渡しても、その栄枯盛衰は、想像をはるかに凌ぐ目まぐるしさだ。
 そんな今、アメリカを中心に、「フラックス世代」と称するジェネレーションが誕生しているのをご存じだろうか。「フラックス」(=flux)とは、日本語で「流動」や「流れ」を意味する。
 つまりフラックス世代とは、その名の通り、「流動的かつ不確実な時代に溶け込み、楽しめる人」たちを指す。この場合、実年齢は無関係であり、個人のメンタリティを表す場合が多い。
 今後は、ビジネスの世界もますます予測がつかなくなるだろう。たとえ業界トップシェアの企業に属していたとしても、安泰とは言えない。20世紀においても、バブルが崩壊して経済環境が激変したことは記憶に新しいが、これらの例からもわかるように、ビジネスも政治も教育も、大きな変化に対応できるようフレーム構築がなされていない。だからこそ、危機に瀕したときはドラスティックな崩壊へとつながってしまうのだ。
 そんな不確定な時代だからこそ、その不安定ささえも受け入れ、従来の常識を覆すような軌道修正も厭わず、積極的に楽しんでしまうほどの余裕をもった人たち……つまり、フラックス世代に注目が集まるのだ。
 フラックス世代の典型的なキャリアパスといえば、どんな状況になろうとも勝負できるスキルを身に付けていること。ITやデザイン、広告などの分野の一線で働く人が多い。彼らは、旧態依然とした大企業に対しても刺激を与えることが多いという。
 もうひとつのフラックス世代の特色が、「未来志向」であるということ。過去の成功体験に囚われず、柔軟にベストな方策を選び取ることを得意とする。
 ソフトウェアの世界を例に挙げれば、今メジャーになっている開発プロセスが、「アジャイル(敏捷)型」と呼ばれるものだ。必要に応じて即座に修正や改造を施すことが可能であり、どんな事態にも対応できる。そして、もはやビジネス全体が、このアジャイル型で動くことが求められているのだ。
 昨今では、たとえば中東や北アフリカで革命の嵐が吹き荒れたように、ソーシャルネットワークの発達が、この流動性をさらに加速化している点も否めない。全世界を覆う変化の波に乗り続けなければ、我々も生き抜くことが難しい時代が訪れている。

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