夏のイワシ、おいしいよ=はしりのサンマ不漁で脚光

イワシの水揚げが各地で活発化し、首都圏のスーパーで手頃な値段で販売されて人気となっている。出漁を早めて5月から水揚げが始まったサンマが、不漁で期待外れとなっていることもあり、イワシへの注目度が高まっている。

【図解】サンマの回遊ルート

 6月の梅雨入り時期のイワシは、おいしくなり始めるため、「入梅イワシ」とも呼ばれる。今年も同月から千葉県や北海道などで水揚げが活発化し、銚子港では7月中旬に1日3000トンを超える「大漁」も見られた。

 梅雨明けしたが、イワシの旬はまだ続く。8月も千葉県のほか、北海道や宮城県などでも水揚げが見込まれ、「夏のイワシも脂が乗ってお薦め」と東京・豊洲市場(江東区)の競り人も太鼓判を押す。

 同市場7月下旬の卸値は、千葉県や北海道産の1匹約100グラム型が1キロ当たり150~300円と、前年に比べて3割安。都内では1匹100円前後で販売していた中堅スーパーもあり、「鮮度や身質が良いのでよく売れている」(仕入れ担当者)という。

 不漁対策で例年より1カ月以上早く始まったサンマ漁は、8月に入っても低調。都内鮮魚店では「当面、サンマの代わりにイワシは欠かせない」といい、豊洲市場内のすし店でも「質が良く入荷も安定しているため、最近は毎日イワシを握っている」(寿司処やまざき)と話している。 

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