夏の飲みもの、「透明」で勝負 メーカー各社しのぎ削る

見た目は透き通った「水」だが、飲むとフルーツの風味やすっきりとした甘さが口のなかに広がる――。夏本番を前に飲料メーカー各社がそんな透明な清涼飲料水の開発に力を入れている。一体なぜなのか。

アサヒ飲料が7月26日に発売する「おいしい水プラス カルピスの乳酸菌」(ペットボトル600ミリリットル、税別124円)は、甘酸っぱさを感 じる水だ。乳酸菌を入れても白濁しない新しい製法を生みだし、飲んだ後、舌に残る甘さを抑えたという。同社が1月にカルピスと合併してから初のコラボ商品 だ。

「カルピスウォーター」を思い出す味でもあるが、商品発表で会見したアサヒ飲料の岸上克彦社長は「カルピスの原液を水で割るのとはコンセプトが違う。こちらは水として開発した」と言い切る。

日本コカ・コーラが20日に売り出した「アクエリアス ウォーター」(500ミリリットル、税別140円)も、透明だがグレープフルーツ果汁を 1%加え、甘さを抑えた。「ヨガやボルダリングなど健康維持や趣味で身近な運動をする人が増え、従来のスポーツ飲料では甘すぎるという声もあった」と広報 担当者。

サントリー食品インターナショナルは5月10日、「グリーン ダカラ」(550ミリリットル、税別130円)を刷新。果実由来の香り粒子を約50 分の1にし、のどごしが良い飲料に仕立てた。キリンビバレッジも5月末に「世界のキッチンから 5種のベリーと天然水」(500ミリリットル、税別130 円)を出した。

■消費落ち込むアルコールを飲料を支える清涼飲料

透明だが果汁の香りや甘さを持った飲料は、日本コカ・コーラが2010年に発売した「い・ろ・は・す みかん」が草分けとされる。昨年サントリーが売り出した「南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」が市場を広げた。

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