明治安田生命は2021年8月3日、「夏に関するアンケート調査」の結果を公表しました。今年の夏休みに使う金額の平均は5万3807円で、昨年から1万1350円減少。2006年の調査開始以来で過去最低となりました。長引くコロナ禍で外出自粛が続き、お金の使い道がないことが要因とみられます。
そこで今回はこの調査結果の内容を解説していきます。
夏休みに使うお金「史上最低」の5万円台
調査は20~50代までの男女1120人からインターネットで実施。2021年6月21~25日を調査期間としました。
調査によると、夏休みに使う金額は5万3807円で、調査開始以来はじめての5万円台となりました。
夏休みに使う金額の推移 (/mwimgs/2/1/-/img_21a0d05d3ea8d5df8fdd22f1ae4eb19324185.png)
拡大する(/mwimgs/2/1/-/img_21a0d05d3ea8d5df8fdd22f1ae4eb19324185.png)
【出典】明治安田生命「夏に関するアンケート調査」
コロナ禍による外出自粛のため、過去最低となった昨年度の金額を1万円以上も下回っています。
それでは、夏休みに使う金額を昨年より「増やす人」「減らす人」はどのくらいいるのでしょうか。
夏休みに使うお金 「減らす」が「増やす」の10倍に
次に、夏休みに使う金額の昨年度からの変化について質問したところ、全体の約4割(38.7%)が「減らす予定」と回答。「増やす予定」(3.8%)の約10倍となりました。
夏休みに使う金額の増減 (/mwimgs/2/b/-/img_2beec01bd54592c086847100873eb29d40919.png)
拡大する(/mwimgs/2/b/-/img_2beec01bd54592c086847100873eb29d40919.png)
【出典】明治安田生命「夏に関するアンケート調査」
年齢層別では30~50代の40%が「減らす予定」と回答しており、「増やす予定」を大きく上回っています。
一方で20代は他の年齢層と比べて「減らす予定」と回答した人が34.6%と最も少なく、「増やす予定」との回答(6.4%)が多くなりました。
では、夏のボーナスについても深掘りしていきましょう。
夏のボーナス 使い道は「預貯金」7割超でダントツ
同調査によると、各世帯における今年の夏のボーナスの平均額は56万9591円となりました。
それでは、ボーナスを「何に使うか」をみていきましょう。
ボーナスの使い道(複数回答)
預貯金・・・73.1%
趣味・レジャー・・・27.8%
外食・・・22.1%
旅行・・・17.7%
ローンの返済・・・17.3%
預貯金が7割超となり、ダントツで最多となっています。また、外出自粛の反動の影響もあってか、趣味・レジャー、外食、旅行も上位に名を連ねる結果となりました。
長期化するコロナ禍 今後はどうなる?
今回の調査で、夏休みに使うお金は過去最低となることがわかりました。さらに、使い道は「預貯金」が多数を占める結果となっています。
明治安田総合研究所の小玉祐一フェローチーフエコノミストは、「今年の夏休みに使う金額が昨年より減少したのは、新型コロナウイルスの感染動向に昨年と今年とで大きな差があるため」と分析しています。今年は感染者が急拡大したことで、自粛ムードが加速したことを指摘しました。
一方で、ワクチン接種が進み経済活動が順次解除されれば、「潜在的な消費需要の顕在化が期待できる」可能性があるとの見方も示しています。
参考資料
明治安田生命「夏に関するアンケート調査」(https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2021/pdf/20210803_01.pdf)