夏祭りで住宅相談会 荒浜地区集団移転スムーズに 仙台

仙台市若林区荒浜地区の元住民らで組織し、内陸寄りの荒井地区への集団移転を目指す「荒浜移転まちづくり協議会」は7日、協議会の夏祭り会場で住宅メーカーやファイナンシャルプランナー(FP)による住宅相談会を開く。住民に早い段階からメーカー選びや住宅ローンの検討を進めてもらい、速やかに集団移転を実現させる狙いがある。
 夏祭りは、協議会が定期的に会合を開いている若林区のサンピア仙台で開催する。会場に大手住宅メーカーや地元の工務店8社がブースを設置。各社の特長を説明したり資料提供したりする。
 日本FP協会の会員らも会場に駆け付け、住宅再建費用の工面や住宅ローン返済などの相談に応じる。
 協議会は、被災した荒浜地区の約300世帯でつくる。夏祭りも今回が初開催で、焼きそばやかき氷などの屋台が並ぶほか住民有志がフラダンスや演歌、舞踊などを披露する。
 荒浜地区の住民の多くが集団移転先として検討する荒井地区では、土地区画整理事業で宅地造成が進められる。「荒井東」は本年度から、「荒井南」「荒井西」では2014年度から住宅着工が可能になる見通しだ。
 事業は荒井地区の地権者ら土地区画整理組合が主体的に実施するが、各組合から理事長が協議会に顧問として参加するなど荒浜地区の住民と連動を図る。
 協議会は荒井南、荒井西の両組合に、宅地造成の完了前に住民が居住区画を選べるよう働き掛けている。角地や敷地の向きが分かればメーカーなどとの打ち合わせも進み、入居までの期間を短縮できる-という算段だ。
 県によると、被災者団体が自ら住宅相談会を企画するのは珍しい。県住宅課は「移転後の暮らしを具体的に考えることはスムーズな集団移転につながる」と期待する。
 協議会会長の末永薫さん(46)は「集団移転の本格化はまだ先だが、みんなで集まって将来の話をすることで、移転後の新しいまちのイメージを共有できるといい」と話している。

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