外国人が「日本でやりたいことリスト」上位の意外なもの 「国に帰ったような安らぎ」

外国人に日本の「駄菓子」はどう映るのでしょうか。日本在住の外国人ライターに駄菓子について語ってもらうと「国に帰ってきたような安らぎを与えてくれる」という意外な共通点も見つかりました。日本の駄菓子の代表格「うまい棒」も、「たこ焼き味はまるでビーフジャーキー」。世界の人が親しみやすい駄菓子の魅力を探りました。(Grape Japan ベンスキー・ゼビア、スティーブン・ハウスドーファー)

外国人の「やりたいことリスト上位」に

外国出身のライターにまず聞いたのは「好きな駄菓子」について。 それぞれ、好きな商品を次々とそらんじます。

コニー(イギリス出身)「甘党の私は、チロルチョコなど、日本の小さなチョコレート菓子が好きです」

エリー(ルーマニア出身)「若い頃に『Paradise Kiss』を見て以来、駄菓子をジャーに入れて食卓の上に置いておくのが好きです。たくさんの駄菓子を食べてみましたが、よく食べるものは桜大根、うまい棒、チロルチョコ、よっちゃんイカ、すこんぶ、キャンディシガレット、キャベツ太郎、大福、こんぺいとう、こざくら餅、蒲焼さん太郎です」

ジェン(フィリピン出身)「今まで試してきた駄菓子の種類は、塩味が強いものが多かったです。特に気に入っているのは、うまい棒とキャベツ太郎です」

みなさん、意外にも多くの駄菓子を網羅していることに驚かされます。

「駄菓子屋の魅力」を聞くと、「日本に来る外国人の『やりたいことリスト上位』が駄菓子を食べること」という回答があるほど、認知度が高い物だと分かりました。

コニー「訪日する外国人にとって、有名な駄菓子をいろいろ試してみることは、やりたいことリストの上位に入ることが多いです。ドン・キホーテなどの量販店やスーパーのお菓子売り場で駄菓子を見つけやすいことから、比較的簡単に実現できることでもあります。駄菓子は価格の安さと、少なくなってきているというどこか歴史的価値のあるところが魅力です」

ジェン「私は地元フィリピンにある『サリサリストア』を思い出すから駄菓子屋が好きです。サリサリストアは『雑貨店』という意味ですが、すべてのものが安いのに、たくさんの選択肢を提供してくれるという点では、駄菓子屋とよく似ています。駄菓子そのものは、子どもの頃によく食べていたお菓子を思い出します。だから、国に帰ってきたような安らぎを与えてくれるので駄菓子が好きです」

世界共通の「安らぎ」を感じるもののようです。

「あなたの母国に駄菓子に似たものがありますか?」と聞くと、ルーマニア出身のエリーさんは「90年代には、小さなお店やキオスクで買っていた駄菓子に似たお菓子がかなり種類豊富にあったと記憶しています。キャンディーシガレット、ガム、チョココイン、ペロペロキャンディー(特にチュッパチャップス)の他に、子どもや大人がよく買っていたルーマニアのスナックもありました」。その中で強烈だったお菓子は、「『食べることができる紙』でした。試したことはありませんが、友達がお店で買ってきて時々食べていたのを覚えています。いつも変だと思っていました」。

アニメで見た駄菓子

アニメなどを通じて憧れた、日本の「駄菓子」。外国人にとって、その味はどう映るのでしょうか。

多様な味が魅力の「うまい棒」を、外国出身のgrape Japanライター2人が試食しました。

株式会社やおきんのスナックブランドであり、美味しい棒を意味する「うまい棒」。10円という安さは、物価が上がっても何十年も前から変わりません。

この41年の間に様々な味の「うまい棒」を販売しており、現在では17種類の味を購入することができます。食べ比べでは、西洋人の口に馴染みのある味と比較的に馴染みのない味の両方を考慮し、7つの味の「うまい棒」をセレクトしてみました。

〈スティーブン・ハウスドーファー:カリフォルニア州ロスアンゼルス出身  飲食店やバーなど、古き良き日本の雰囲気を感じられるお店を発掘することが大好きです。日本のプロレスの大ファンでもあります。Grape Japan編集長。〉

〈ゼビア・ベンスキー:ワシントンDC生まれ、フランスとアメリカの二重国籍。 大学で日本語を学び、大学院で明治時代のSF小説を研究するなど型に嵌まらないGrape Japanのライターです。 こよなく愛する日本のポップカルチャーとサブカルチャーへの熱意を武器に、日々ライターとしての感覚を研ぎ澄ましています。〉

(※私たちはアメリカで育ったスナックファンのアマチュアであり、以下のレビューは、私たちの文化的背景に基づいた個人的な意見を反映しているに過ぎないことをご了承ください。また、株式会社やおきんの協力を得ておりますが、有料広告ではありません)

チーズ味は「確かにチーズ」

ベンスキー:香りは確かにチーズ。見た目はチーズパフ(トウモロコシなどを原料とした菓子で焼成する際に空気を入れたもの)のようでした。クリーミーだけどまろやかなチーズの風味が噛むたびに積み重なっていくので、最後まで楽しめました。

【再現度: 4 濃さ: 3 ユニークさ: 2】 

スティーブン:アメリカのチーズパフのような味。他のうまい棒よりも空気感がありました

【再現度: 4 濃さ: 4 ユニークさ: 2 】 

コーンポタージュ味は「紛れもなく大胆」

ベンスキー:紛れもなく大胆なコーンスープの味。香り、味、全てが日本で何度も飲んだことのあるお馴染みのコーンスープ。7つの中で一番好きな味でした

【再現度: 4 濃さ: 5 ユニークさ 3 】 

スティーブン:これはほぼ固形のスープだね! 本当にコーンポタージュの濃厚さを捉えている

【再現度: 4 濃さ: 4 ユニークさ 3 】 

やきとり味は「意外とフルーツ系」

 これは予想外でした。本当に焼き鳥のタレの艶やかな見た目と香りをうまく表現していますが、鶏肉の味はあまり感じられませんでした。私の好みでは多少甘すぎですが、焼き鳥屋さんの香りを思い出させてくれました

【再現度: 3 濃さ: 3 ユニークさ 4 】 

スティーブン:これはとても甘かった。意外とフルーツ系のスナックを思い出しました。

【再現度: 2 濃さ: 4 ユニークさ 3 】 

たこ焼味「ビーフジャーキーっぽい」

ベンスキー:見た目と香りが正にたこ焼きでした。タレがかかった表面に海苔のフレークまでついていたのが良かったです。たこ焼きのタレの味がしっかりしていて、パリッとした食感が好きでした

【再現度: 4 濃さ: 3 ユニークさ: 2 】 

スティーブン:他のたこ焼き味のものと同じように、中身というよりもソースに近い味がしました。アメリカのビーフジャーキーを思い出す味。

【再現度: 3 濃さ: 2 ユニークさ: 1 】 

めんたい味「日本酒が飲みたい」

ベンスキー:これは私のお気に入りの一つでした。色が本当に「めんたい」と私に伝えていました。ピリッとしたうま味と魚介類の後味がいい。これと一緒に日本酒が飲みたいですね

【再現度: 4 濃さ: 4 ユニークさ 4 】 

スティーブン:これも驚きました。もっとスパイスを期待していましたが、スパイスというよりも、めんたいの魚介味をよく捉えていると感じました。辛くしたフィッシュスティック{訳者注:米英語で棒型魚フライ}のような味でした

【再現度: 4 濃さ: 4 ユニークさ 4 】 

なっとう味「意外にもほのか」

ベンスキー:納豆好きの私には、良い意味でマイルドな納豆感が伝わる味だと思いました。納豆の味はしますが、圧倒されるような程ではないので食べやすかったです

【再現度: 3 濃さ: 2 ユニークさ: 5 】 

スティーブン:本物の納豆のような圧倒的な味を期待していたのですが、意外にもほのかな辛さのスナック菓子でした。食感は納豆のような濃厚さを感じましたが、味はドリトスを思わせるものでした。

【再現度: 4 濃さ: 3 ユニークさ: 5 】 

シュガーラスク味「甘い棒!?」

ベンスキー:甘いうまい棒が存在するということを知らなかったので、何を期待していいか分からなかったのですが、これは本当にラスクのような味でした。甘すぎず、甘さとクリーミーな風味が心地よくブレンドされています。これと一緒に紅茶が飲みたいと思いました

【再現度: 4 濃さ: 2 ユニークさ 3 】 

スティーブン:これはまるでうまい棒の形をしたラスクを食べているようでした。ラスクは通常硬くてパリッとした食感なので、うまい棒のサクサク感のお陰でユニークな菓子になっていました

【再現度: 5 濃さ: 3 ユニークさ 3 】 

多様な味を追及しているからこそ、どんな文化背景の人にも親しみやすく、ひっかかる何かがある日本の「駄菓子」。駄菓子について文化的な背景も考察しました。

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この記事は、withnewsと、日本の文化やニュースを海外に発信している英字メディア「Grape Japan」との共同企画「News Crossing」です。日本について外国人記者と日本人記者が一つのテーマで取材をしたら、何が見えるのでしょうか? 第1回のテーマは「駄菓子」です。

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