日本政策投資銀行東北支店がアジア8地域と欧米豪4地域を対象にした「東北インバウンド(訪日外国人旅行者)意向調査」によると、国内7地方のうち、東北を訪れたいと答えたのはアジア3.0%、欧米豪1.0%で6番目にとどまった。東北支店は「観光客のニーズを分析し、効果的に東北ブランドを海外に売り込むべきだ」と指摘する。
7地方のうち、訪れてみたいという回答は北海道(アジア45.2%、欧米豪9.1%)や沖縄(27.0%、14.2%)が群を抜いていた。最下位は北陸(1.9%、0.5%)だった。
東北、北海道、北陸、九州の4地方を訪れた外国人に不満に感じたことを複数回答で尋ねたところ、東北は「バス・タクシーの利便性」「鉄道の利便性」「携帯電話や通信機器の利用しやすさ」への不満が他地域より高かった。
「訪れたい日本の観光地のイメージ」(複数回答)は、アジア地域は温泉がトップ。桜(2位)や富士山(3位)、雪景色(6位)、紅葉(8位)が上位に入るなど豊かな自然や季節の移ろいへの関心が高かった。
欧米豪は1位の富士山を除くと、城(2位)、日本庭園(3位)、神社仏閣(4位)、日本的な街並み(5位)の順で、伝統や文化・歴史に人気が集まった。
東北支店の担当者は「今はアジアからの観光客が多いが、中長期的には欧米豪からの集客を見据える必要がある。興味を持ってもらえるような情報の発信のほか、時刻表や路線図の多言語化、通信環境の拡充が急務だ」と強調した。
調査は6、7月にインターネットで実施。2012年度から韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシアの海外旅行経験者を対象に継続して調査し、今回から英、米、仏、豪を追加。12地域の計6198人が回答した。