外国人観光客 東北で何買う? 東経連が消費動向調査着手

 東北経済連合会は、東北の地場産品などに関する外国人観光客の消費動向やニーズを調べ、誘客や販売促進の戦略づくりにつなげる取り組みを始めた。本年度中に需要増が見込める中国、香港、台湾からの観光客を対象にアンケートを行い、効果的な販売手法などを検討。東北観光の魅力向上に役立て、将来の産品輸出の可能性も探る。
 現状は東北での外国人観光客の購買実態を体系的にとらえた調査はほとんどない。このため東経連は旅行会社や航空会社、流通関係企業などと設置した研究会で、収集したデータを基に販売手法などの方向性を探り、年度内にも報告書をまとめる。
 第1弾のアンケートは東北の約30の旅行会社やホテル・旅館の協力を得て、7月末まで行う。中国や台湾など「中華圏」からの旅行客約500人に東北産品のカタログを見てもらい、購入したい商品や買い物の予算総額、土産物の想定単価などを尋ねる。
 実際の購入商品やサービス面への評価もつかむため、仙台空港から帰国する約100人に聞き取り調査も行う。
 東北の百貨店や土産販売店など販売側へのアンケートや聞き取り調査も今秋をめどに実施。外国人旅行客がどこで何を買っているかといった情報を分析し、消費の実態に迫る。
 東経連は、東北・北海道の8道県などとつくる「北海道・東北未来戦略会議」の貿易連携部会で、観光や物産、文化を一体的にとらえて海外展開を探るマーケティング事業を進めており、研究成果は連携部会の取り組みにも生かす。
 東経連は「地域の産品を食べたり買ったりしてもらうことで、観光の魅力も高まる。母国に帰ってからも欲しいというニーズがあれば、輸出拡大にもつなげられる」としている。

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